補助金と認定支援機関

国から、一定の補助金の中には、認定支援機関の関与が必須とされているものがあります。

なお、当事務所では、補助金の申請支援も行いますが、基本的にトータルサポート契約を締結していただいている方から完全成功報酬制で行う形のみです。

企業のことをしっかりと把握できていない会社について申請を行うのは、非常に難しいと考えるからです。

補助金自体が目的化してはいけない

企業の方の中には、補助金をもらうこと自体が目的化しているように感じられる方もいるようです。
確かに、国から費用の一部の支払いを受けて経営に生かせるのですから、うまくいけば非常に有利なことには違いありません。

しかし、補助金は基本的に、設備投資を前提にするものですから、大きな出費を伴うものです。
補助金と言っても全額を国が支払ってくれるわけではなく、一部は自己負担になりますし、ほとんどの制度では後払いで、いったんは全額を自分で負担しなければいけません。

本当に必要なのかを見極めることが大切です。

予算枠に注意

一般的な補助金は、予算の枠が決まっており、予算を使い切る形で採択率が変化する仕組みです。
どうしても、募集開始時の方が予算が潤沢なため、採択率が高くなる傾向があります。
したがって、使いたい補助金がある場合には、何回か募集がある場合でも、できる限り早い回の募集に応募した方が採択率が高くなります。

なお、補助金の公募は期間限定で、繰り返されることも多いこと、新規募集にあたっては要件が変更となることも多いため、以下の補助金が現在募集されているものとは限らないこと、新規の募集では要件などの変更がある可能性があることをご了承ください。

ものづくり補助金

ものづくり・商業・サービス補助金(ものづくり補助金)は、新製品・サービス開発や生産プロセス改善のための設備投資を支援する補助金です。
一般型では、1000万円を上限としており、中小企業は最大2分の1、小規模事業者では3分の2を補助してくれる仕組みです。
現在は、「低感染リスク型ビジネス枠」として、企業規模問わず3分の2の補助を認める枠もあります。
グローバル展開型、ビジネスモデル型に至っては、さらに補助上限が高額です。

補助額の金額も大きいのですが、予算規模も大きいために比較的採択率も高いということで、補助金の代表と言ってよいと思います。と言っても、採択率は平均すると5割前後で、だれでも認められるというわけではありませんし、希望する人も多いので、難易度は決して低くありません。

基本的に、補助対象は、機械装置費や技術導入費、運搬費、クラウド利用費などが補助対象になりますが、費用によっては全体に占める割合の上限が決められていますし、家屋や汎用性のある物(パソコンやタブレット端末、車など)は認められません。
自社で取り組む事業でなければならず、外注や委託の仕組、営利活動とみなされる物件の導入を行う事業などは認められません。

審査項目は、技術面、事業化面、政策面の観点から点数がそれぞれ割り振られており、そのほかに加点要素(経営革新計画の認定、小規模事業者である、創業5年以内など)が定められています。

なお、ものづくり補助金は、かつては認定支援機関の確認が必須でしたが、制度変更により不要となりました。
しかし、難易度の高い補助金であり、依頼をする方が現実的と思います。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、コロナ禍を経て、中小企業等の思い切った事業の再構築を支援し、日本経済の構造転換を促すことを目的とする補助金です。
中小企業の通常枠で最大6000万円、補助率3分の2、そして予算規模は1兆円規模と、補助額も予算規模もものづくり補助金を大きく上回っており、空前の規模と言ってよいと思います。

売り上げが大幅に減少していることが制度利用の条件となっています。

新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編のいずれかを行う合理的で説得力のある事業計画を策定することが必要になります。
事業転換や業種転換は、既存事業を上回る新規事業の展開が前提になってくるためかなりハードルが高く、現実には、新分野展開や業態転換が圧倒的に多い計画になると思われます。

補助対象として、建物費(建築・回収・撤去・賃貸物件の原状回復)についても認められることが特徴です。
機械装置費や技術導入費、外注費、広告宣伝費、研修費なども認められます。汎用品購入が認められないことはものづくり補助金と同様です。
補助事業終了後5年間の年次報告が必要です。
認定支援機関のサポートが必須となっています。

事業承継補助金

事業承継やM&Aを行うことをきっかけに新しいチャレンジを行う事業者を対象とした補助金です。
経営者交代の場合の通常型で250万円、M&Aの場合は500万円が上限となっています。廃業を伴う場合は上乗せがあります。

地域に貢献する中小企業者が行う地域に貢献する独創性。収益性・持続性がある事業であることが必要です。
認定支援機関のサポートが必須となっています。

創業支援補助金

創業支援補助金(名称が年度により変わります。)は、創業時に必要な経費の一部を国や地方公共団体が補助してくれる制度です。
補助上限額は200万円(外部資金調達がある場合)で、補助率は2分の1です。

事業計画書と申請書類を提出し、審査を受けます。
5年間は事務局に事業状況を報告する必要があります。
毎年、春頃に募集されます。

小規模事業者持続化補助金

商工会・商工会議所の支援を受けて作成した経営計画に従って取り組む販路開拓などを支援する補助金です。
補助上限は50万円と、他の補助金に比べて少額ではありますが、採択率が非常に高く、高いときには90%くらいになることもあります。
また、商工会議所や商工会の相談員のアドバイスを受けながら計画を作成できるため、ご自分で取り組むのも比較的簡単だと思います。
トータルサポート契約の対応時間の範囲内でアドバイスさせていただくことは可能です。

早期経営改善計画・経営改善計画

早期経営改善計画・経営改善計画は、認定支援機関のサポートの下、経営状況を分析し、今後の改善のための計画を作成するものです。
これまでに紹介した補助金とは異なり、認定支援機関の費用そのものが補助されます。
詳しくは、別のページで説明しますので、以下のリンクを参照ください。

早期経営改善計画・経営改善計画についてはこちら

経営改善計画による事業再生についてはこちら

なお、補助金を給付金と区別する場合、給付金が要件を満たせば支払われるのに対し、補助金は予算の枠を前提に、要件を満たしたものの中で審査し、一部に支給されるもの、と言われています。
経営改善計画策定支援は、要件を満たせば支給されるのでこの意味での補助金ではありません。
ただ、中小企業庁のHPでも補助金という表現が見られますし、国からの補助を受けることができるという意味では同様ですので、ここでは、一括して説明させていただきました。

様々な補助金  

様々な補助金について、動画でまとめて説明させていただきました。

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